愛と指輪の重さ (高井みお)
画/ 高井 みお
作/ キム・ローレンス @2009 Kim Lawrence
題/ Mistress: Pregnant by the Spanish Billionaire (R-2486)
ハーレクイン オリジナル 2015年6月号
【個人的あらすじ】
イギリスで図書館アシスタントを務めるヒロイン/ネル・フロスト(25歳)は、年下の姪/ルーシー(19歳)から、『スペインで出会った運命の恋人と結婚する』とメールをもらい、思い留まるように説得するため、スペイン:バレンシア地方までやってきた。
やっと相手の勤務先へ来ると、同年代の学生と聞いていたのに、出てきたのはセクシーで大人なヒーロー/ルイス・フェリペ・サンドロ(通称ルイス:32歳)だった。
実は、ルーシーの相手は、彼の同姓同名の年下の従兄弟(通称フェリペ)だという。人違いでルイスを責めたネルは、失礼な態度を詫びたが、彼は「お節介焼きのネルおばさん」「他人の人生に他人が口出すことじゃない」などと冷たくし、手は貸さないからイギリスへ帰れと突き放す。
しかしその後、ルイスはなぜかネルに、「フェリペの居場所を教えるから、具合の悪い祖母を安心させるために、偽物の婚約者になってくれ」と頼み、彼女の指に、大きなダイヤモンドをあしらった指輪をはめた。
ネルは、幼い頃に母を亡くし、介護を続けていた父も2か月前に失ったばかりで、孤独を抱えている。ルイスも10年前に妻を亡くしていて――。
【おすすめポインツ】
若くて可愛いヒロインが、本当に純粋で、からかわれたり誘惑されるたびに赤くなる。意地悪なヒーローに対しても、負けずにやりあうのも微笑ましい。
ヒーローは、冷たくて意地悪するわりに、最初からやる気満々♡ お祖母様をダシに彼女を足止めしようとしたり、嘘のキスで本気になっちゃったり、指輪を外させまいと頑張ったり、ツンデレすぎます。
陳腐な意見だけど、王道のハーレクイン、王道のシンデレラ・ストーリー、何度読んでも胸キュンキュン。
【もにょるポインツ】
ヒーローが、思ったことを口にする性格で、照れ隠しがあるのも分かりますが、ヒロインが彼を傷つけたわけじゃないのに、「お節介焼きのネルおばさん」を連呼したり、嫌味や悪意表現が多くないですか。こういうパターンで不思議なのは、ヒロインはヒーローの顔以外でどこに惚れたかってことかな。
それから、ネルの兄とか姉とか、もうちょっと罰が当たってもいいのに。
あと、本当に些細なことだけど、ヒロインが若く見えすぎるのと…もしかして、あんな地面の上でバージン喪失だったら…気の毒だなあ。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
あの車のトラブルって、たぶんわざとエンストしただけですよね♡ 翌朝すぐに直ったし。ヒロインを婚約者にしたてて、城で2人っきりで過ごそうとしたのに、彼女が先を急ぐから♡ 別荘に着いたら従兄弟やら姪やらがいて、イチャイチャできないものね。
ドキドキ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒーローの俺様バランスが、もうちょっとデレが多かったらよかったかな。
ワクワク度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
良い意味でオーソドックスなので、先が読めるのは止むを得ず。
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒロインの境遇には同情するんだけれど、兄姉の言いなりになるのも、父親の介護を選んだのも、彼女の自業自得が否めない。だからこそのシンデレラですかね。
もしもの離婚率 → 60%