今宵、秘書はシンデレラ (谷口亜夢)
画/ 谷口 亜夢
作/ バーバラ・ウォレス @2010 Barbara Wallace
題/ The Cinderella Bride (I-2301)
ハーレクイン 増刊 2015年 春号
【個人的あらすじ】
ホテル/ケント・グループで秘書をするヒロイン/エマ・オルークは、ボスの女社長/マライヤの命令で、彼女の孫のヒーロー/ギデオン・ケントの移動手段兼住居のヨットに来た。嵐に備えてヨットを係留していたギデオンは、さっさと書類を置いて帰れとばかりに冷たかったが、雨の中で「手紙の返事をもらうまで帰りません」とたたずむエマを、5分だけ船の中で話そうと招き入れた。
エマが、返事をもらって事務所に帰ると、伝言通りにギデオンがやってきて、彼女の机の上にあった歴史的ホテルの改装計画に興味を見せる。
ギデオンはエマに、改装工事について意見を求め、「君はどんな部屋がいいと思う?」「ホテルは人々の夢をかなえる場所でもある。君にも夢のひとつやふたつあるだろう?」と訊くが、エマは「夢は見ません」とあっさり答える。
そんなエマに好奇心を持ったギデオンは、祖母の命令で行くニューヨークへ彼女を同行させることにした。
【おすすめポインツ】
ハーレクイン歴が1年に満たないのに、こんなことを言うのは不遜ですが、「ああ、これがハーレクインなんだ」と、文字通り腑に落ちました。
若くて可愛くて優しくて有能で真面目な女性が、ゴージャス王子様に見初められ、2人っきりのプライベートジェット、最高級ホテルのスイートルーム、豪華なドレス、夜景の見えるレストランでディナー、上品な大人の会話と夜。
例えば、決してネタバレではなく「こんな高価なものは受け取れません」「君のような女性は今までいなかった」「魔法の時間は終わり」「君は暖かい」「浮かれてはダメよ」「一緒に住もう」「いつまで?」という、ツボを押さえまくった言葉が散りばめられて、ハッピーエンドが待ち遠しくて仕方ない。
何度読んでもそんな夢を見せてくれる大人のシンデレラ・ストーリーです。
それから、基本的に漫画家さんに言及するのは嫌なのですが、ものすごくお上手な方ですね。絵の美麗さは言わずもがな、ヒロインからハーレクインに要らない物を全て取って、ヒーローにはハーレクインに必要なものを全て加える、ハーレクインのアルケミストとして覚えておきます(笑)
【もにょるポインツ】
ヒロインとヒロイン母の違いは何なんでしょう。ヒロイン母が若くなくて可愛くなくて優しくなくて有能じゃなくて真面目じゃないからでしょうか。それとも、王子様を真剣に夢見ていたせいですか。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ★
ラブというより甘やかしですね。ああ、金に糸目をつけず甘やかされたい。でも、それを求めればヒロイン失格なんですよね…。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
そりゃもうイチャつきますよ。ダメよダメよも好きのうちです(笑)
ワクワク度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ギデオンの出生に秘密があるくらいで、あとは堂々の恋愛路線です。毎回、転がるように読んじゃいます。
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
なぜか脇役のお母さんに同情したので星1こ。
もしもの離婚率 → 50%