星と砂とシーク (冬木るりか)
画/ 冬木 るりか
作/ メリッサ・ジェイムズ @2010 Lisa Chaplin
題/ The Sheikh's Destiny (I-2175)
ハーレクイン 増刊 2015年 春号
【個人的あらすじ】
北アフリカで看護婦をしているヒロイン/ハナー・アル・スッドは、武装集団に追われ事故に遭った、救援物資トラックの運転手を務めるヒーロー/アーリム・エル・カナールを助けた。
ハナーは、彼の治療をするうちに、自分の出身地アッバス・アッディーン王国のシークだと気付く。彼女自身も、武装集団のボスに妾として狙われており、アーリムの正体が知られても知られなくても危険だと考え、2人でそこから脱出することにした。
国王だった兄を死なせた後悔に苛まれるアーリムは、その道中、ハナーの語るアッバス・アッディーンの現状から、避け続けた故郷へと帰る必要性を感じる。
その後、涸れ川や敵側のジープなどを利用して、無事に逃げられた2人だったが、迎えに来たセスナに乗れる乗客は1人だけで、アーリムはハナーを抱き上げ機内へ放り込むと、ただ1人で残って武装集団に包囲された――。
【おすすめポインツ】
勇敢なヒロインが、勇敢なヒーローと出会い、もっとお互い勇敢になるという、理想的な出会いの話です。皮肉ではなく、ハッピーエンドになってよかったと心から安心。
シーク物嫌いの心の棘が、ほんの少し和らぎました。
ただのアクシデント系一目惚れと思わせておいて大違い。アフリカから帰るという最大のトラブルが解決して、お互いの気持ちが通じ合ったかと見えたのに。ヒーローはシークとして、ヒロインは家族との行き違いという、またさらなる障害が待っていて、正に一難去ってまた一難ですが、ちゃんと収まってくれます。
家族のいざこざにありがちな、傷つけた相手が謝らないバカだとか、傷つけられた人が引きずり過ぎるとか、そういうストレスも残りません。
【もにょるポインツ】
あのトラックってアーマード・ヴィークルらしいのに、最初にどうしてやられちゃったんだろう。バズーカとかロケット弾だったら、運転手がやられるだけじゃ済まないだろうし。
あとは、弟シークのことが気になるけど、やっぱりシリーズっぽいですね。
それ以外は分かる人だけ分かればいいので ε が。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ★
文字通り、命がけでハナーを助けたアーリムは、最高アクション賞をあげたいです。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
大きな問題を抱えた2人なので、イチャイチャが少なかったのは仕方ない。でもやっぱり、もうちょっと欲しかったなあ。でも、2人の勇気にプラス1。
ワクワク度 ★ ★ ★ ★ ☆
武将集団に囲まれたアーリムを見た時、記憶喪失とか半身不随とか別人結婚とか、いろんな災難パターンを考えて心配しました。ハナーのもとに帰ってきてくれてありがとう。
ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
2人の再会シーンがクライマックスだったけど、ハナーが家族の問題に向き合ったときにもうるっときました。
もしもの離婚率 → 8%