※ただし「好きな人(イケメン)」に限る

たとえ裏切られても、まさか復讐されても、よもや利用されても、もしも脅迫されても、万が一 レ○プされたとしても・・・あなたを愛しているから、すべて許せるの!

身代わりの侯爵夫人 (さちみりほ)

画/ さちみ りほ
作/ アン・へリス @2011 Anne Herries
題/ Barterd Bride (PHS-62)

ハーレクイン オリジナル 2015年3月号

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【あらすじ】

 田舎で年取ったおばと暮らす地方貴族の娘・ヒロイン/シャーロット・スタントン。母親はすでに亡く、父親と双子の妹/クラリスは、パリで賭博など遊び歩いている。

 イギリス・ロスセー地方の領主・ヒーロー/ニコラス・ラスセー侯爵。半年前に亡くなった父親の唯一の遺言が「跡継ぎを作れ」であり、母親代わりに育ててくれた伯母から「よき伴侶をみつけなさい」と催促されているが、「花嫁は若くて健康なら誰でもいい」と投げやりに考えていた。

 ある時、パリへ出かけたニコラスは、賭博場で「自分の娘を賭ける」と言い出した男の勝負に乗る。男はシャーロットの父親で、その娘はクラリスだった。
 ニコラスは賭けに勝ち、クラリスを婚約者とする契約書にサインをしたが、その直後に泥棒を働く彼女を見てしまう。
 逃げ出したクラリスは、父親とともに実家に泣きついた挙句、行方をくらました。突然の借金に悩んだシャーロットは、出来ることなら契約破棄か返済を待ってほしいと訴えようと、いざとなったらクラリスの身代わりに嫁ぐ覚悟を決め、ニコラスのもとを訪れる。

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 婚約を後悔していたニコラスだったが、シャーロットに出会ったとたん、彼女の清楚さと無邪気な微笑みに戸惑い、居丈高に「結婚も披露宴もこちらで行う」と言い放った。
 一方シャーロットは、侯爵が想像と違って若く美しいことに困惑しつつ、彼の軽蔑するような態度に傷つく。
 しかし、偽装工作はあっさりバレて、「私すぐにここを出ます。借金もなんとかします」と謝罪するシャーロットに、ニコラスは「伯母を安心させられるなら、花嫁なんか誰でもいい」と契約続行を宣言。双方のおばも招かれ祝福する中、美しい結婚式が執り行われた。

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 だがその晩、契約の名義がシャーロットではなくクラリスだと気づいたニコラスは、花嫁を残してパリへと急行する。
 初夜に置き去りにされたシャーロットは? そしてクラリスは?

【おすすめポインツ】

 この作品がなかったら、このブログも自炊もしなかっただろう、という天運の名作。
 一目会った瞬間から恋に落ち、相手のことを「考えるだけ人生のムダ」と思い込もうとするくらい考えてしまう。ヒーローは「嫁なんか誰でもいい」と吐き捨ててヒロインをドン引きさせるくせに、何だかんだと言い訳を並べて彼女と結婚しようと頑張ります。
 ヒロイン愛されてます♡。
 契約名義の行き違いや不良妹の横槍など、感動の枕詞のような障害も気持ちいい。大事な人の不慮の死に悲しみ続け、それでも愛さずにいられない心の綾、胸に沁みます。
 ヒロインも賢く男前で、そりゃヒーローもめろめろだよね♡。

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【もにょるポインツ】

 本当にこの作品は好きで好きで、何の文句もないのですが。粗探しをして1つ挙げるとしたら、息子の名前は違ったほうが好きかも。

【勝手に印象三昧】

 ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ★ 

 数え上げたら全ページになるのですが(笑) パリから帰ったヒーローが、新しいドレス姿のヒロインを見て、お互いに照れてしまうところ。女性へのプレゼントなど慣れているはずのヒーローが、母の形見を渡そうとして「なんて言えばいいのか」と悩み、それを受け取ったヒロインの「どうして私こんなに嬉しいのかしら」とはにかむシーン。そういう細かい表現も大好きです♡。

 ドキドキ度 ★ ★ ★ ☆ ☆ 

 妹はどうするのよ、と思っているうちに大事に。でも、クラリスも幸せになってくれたらいいのに。

 ワクワク度 ★ ★ ☆ ☆ ☆ 

 撃たれた密猟者の足が治っちゃうほど留守にしてたのかヒーローのバカバカ。「とりもどせますわ、すぐに、何もかも」ってヒロインの男前が上がりまくりですよ。

 ウルウル度 ★ ★ ★ ★ ☆ 

 こんなのでこんなに泣いちゃう自分の涙腺の弱さを棚に上げて、ヒーローの「君を愛しているとだけ言いたかったのに」あたりから号泣しちゃうじゃないの、もう。失ったものへの無念さから臆病だった彼が、ヒロインの愛で救われるカタルシス。ヒーローも男前でよかった♡。

 もしもの離婚率 → 1%

 浮気なんかしたらニコラスよ、シャーロットが許しても私が許さん(笑)

【胸キュン最高点】

ニコラス「君を失うくらいなら(自主規制)なんて、僕にはなんともなかった。  本当になんともなかったんだ