誘惑のパフューム 《ニローリ・ルールズ8》 (橋本多佳子)
画/ 橋本 多佳子
作/ ペニー・ジョーダン@2008 Harlequin Books S.A.
題/ A Royal at the Sheikh's Command [The Royal House of Niroli #8] (HNR-8)
ハーレクイン 増刊 2015年 夏号 《ニローリ・ルールズ》
【個人的あらすじ】
地中海の島国ニローリでスパを経営しているヒロイン/ナタリア・カリーニは、同国のジョルジョ王の要請で、中東で見つかった王子であるヒーロー/カディール・ザファーの花嫁になる決心をした。
ニローリは現在、高齢の王の世継ぎ候補が次々と辞退し、次期国王が存在しない異常事態で、王制廃止もささやかれる危機に陥っている。
そんな折、中東ハディヤ首長国のシークだったカディールが、なんとジョルジョ王の実の息子だとDNA鑑定で証明され、ニローリの王位を受け継ぐことが決定的になった。しかし、海外――それも人種の違う中東からの皇太子に、不満や抵抗感がくすぶっている。
それらの反対を抑えるため、伝統産業ブドウ造りの名人の血を引き、スパ経営や慈善事業で人気の高い〈ニローリの薔薇〉ことナタリアに、皇太子妃の白羽の矢が立ったのだ。
王族になれば、今までのような自由は許されない。ナタリアは、経営するスパを知人夫妻に譲るためイタリア:ベネチアへやってきた。
なのに、そこで偶然出会った逞しい男性に、運命のように彼女は抱かれ――。
【おすすめポインツ】
ニローリ・ルールズ・シリーズを読んだ人なら、これも読まずにはいられないでしょう。そうですいわゆる最終巻という奴です。
実質的に、最初の1作しか家訓は関係なくて、あとは誰が島国ニローリの世間体の犠牲になるか、南極でペンギンが最初のドボンを押しあうような、そんなシリーズでしたが、フィナーレに担ぎ出されたヒーローは髭も胸毛もある壮麗なシーク。
ヒロインもシークに負けないゴージャス美人で、きっと安産型。
シーク物だけに、傲慢で女性を征服しようとするヒーローだけれど、今回のヒロインは愛してるだけじゃ許さない(笑)
【もにょるポインツ】
やっと終わったかニローリ・ルールズ。ちょっと寂しいです。
ところで、読み終わって最初に考えたのは、イスラムの棄教(改宗)は死刑じゃなかったかしら? 髭を剃った時点であれれ? という疑問でした。
後はいつものように、シーク物の女性を大事にしない感じが苦手です。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
惚れてるならもっと潔く愛すればいいのに…。男らしいヒーローほど、そういうところは女々しい気がします。
ドキドキ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
2人のシーンが少なくて残念。でも、ナタリアの女傑っぷりが気持ちよかったので、ここは相殺したということかな。それと、カディールの最後の行動にプラス1。
ワクワク度 ★ ★ ★ ★ ☆
まず、最後がシークというオチにびっくり。次に、最後の事件にびっくり。そこまでずっと攻略されなかったナタリアが墜とされてびっくり。
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
それ以上、ナタリアを侮辱するなら、カディールだってもう幸せにならなくてもいいや。あと、ハーレクインの世界なら、ザーラも幸せになれるでしょうか。
もしもの離婚率 → 70%