地中海をわたる風 《ニローリ・ルールズ4》 (JET)
画/ JET
作/ ナターシャ・オークリー@2007 Harlequin Books S.A.
題/ The Tycoon's Princess Bride [The Royal House of Niroli #4] (HNR-4)
ハーレクイン 増刊 2015年 夏号 《ニローリ・ルールズ》
【個人的あらすじ】
地中海の宝石と謳われる島国ニローリで、〈微笑みのプリンセス〉として愛されるヒロイン/イザベラ・フィエレッツァは、遅れている大規模リゾート開発の商談を進めるために、不動産開発などを手がけるヴァンチーニ・ホテルグループのイタリア:ローマ本社に来た。
ニローリでは今、彼女の祖父のジョルジョ国王が高齢で政情不安があり、人形扱いされるのが嫌なイザベラは、祖国の役に立つため、どうしてもこの商談を成功させたかった。
一方、ヴァンチーニ社のトップでヒーロー/ドメニク・ヴィンチーニは、ニローリと古から争い憎しみ合う隣国モントアヴェラーナの一族で、その争いの象徴であるモントアヴェラーナ島タポララ宮殿の現在の持ち主でもある。ドメニクはビジネスに感情を持ち込まない冷静な経営者として有名だったが、イザベラは過去の因縁が商談に影響を与えないか危惧していた。
だが、出会った瞬間、イザベラは、ドメニクの全身にある傷と火傷の痕、そして知的で孤独な目に衝動を覚える。そして、ドメニクも彼女に一目で惹かれて――。
【おすすめポインツ】
シリーズ中盤を飾るクライマックスというべきヒロイン登場です。
朝日のシーンなんて何時間でも見てられるがな。ああ、その『ワインカップ』になって、うっとりしたいわあ。
そう、ここにあるのはロマンスだけではありません。
ヒロインもヒーローも、立場や過去の枷で、感情すら許さず許されず、決して素直には生きられない。なのに、真摯に向き合える半身に出会ってしまう。政治や外交はいくらでも如才なくできるのに、お互いのことは不器用過ぎて抱き合うことすらできない。
でも、大人同士だから、大人の事情としがらみに絡め取られつつ、大人として勇気をもって未来に踏み出します。
あ、そうそう、子供ポイントもすごい高し。
【もにょるポインツ】
この話では、何がニローリ・ルールズ様の御機嫌を損ねたのですか? ってそういうシリーズじゃないでしたっけ?
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
ちょっとドメニクの内面というか言葉が足りなかったかも。でも、周辺の優しいマンマたちにプラス1。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
素敵な2人だけど、もう愛してるくせに、傷つきたくないから誰も愛さない、というありがちな理由にマイナス1。
ワクワク度 ★ ★ ★ ★ ☆
イザベラの美しさ潔さに惚れぼれしてたら、最後の最後にやってくれましたね、ドメニク、かっこいいわ惚れるわ心臓飛び出るレベルに胸キュンだわ。
ウルウル度 ★ ★ ★ ★ ☆
まず、微笑みのプリンセスの涙といじらしさにもらい泣き。ドメニクの過去も、目の前で大事な人を失い、助けようとして助けられなかったのは、やっぱり辛いだろうと思います。
もしもの離婚率 → 1%