心のシンフォニー 《ニローリ・ルールズ7》 (碧ゆかこ)
画/ 碧 ゆかこ
作/ レイ・モーガン@2007 Harlequin Books S.A.
題/ Bride by Royal Appointment [The Royal House of Niroli #7] (HNR-7)
ハーレクイン 増刊 2015年 夏号 《ニローリ・ルールズ》
【個人的あらすじ】
地中海の美しき島国ニローリで、身寄りがなく盲目ながら1人暮らしでピアノ教師をするヒロイン/エレナ・ヴァレーリオ。彼女はある日、海岸で前ニローリ皇太子の婚外子であるヒーロー/アダム・ライダーと出会った。
アダムは、経営している映画会社が傾き、国王になれば手に入る資金をあてにして、息子/ジェレミー(6歳)とニローリへやってきていたのだ。
ジェレミーの母親は有名モデルで、アダムと子供を捨て、出産後すぐに芸能界へ戻ってしまった。そのため、アダムは男手一つでジェレミーを育てていて、息子の反抗や落ち着きのなさに苦労している。ニローリでも、ジェレミーが起こした騒ぎからホテルを追い出され、次の宿泊先を探す羽目になったのだった。
そんな時、アダムは街中でエレナと再会し、ジェレミーが彼女に懐いたことから、エレナの自宅のゲストハウスに宿泊することにして――。
【おすすめポインツ】
もうそろそろ最初にぶっちゃけると、ニローリ・ルールズはどうでもいい話です。
ただし、この家訓がなければ2人は出会ってませんし、この家訓がなければ話が成立しません。
シリーズ7作目にして、もうそろそろネタ切れになってもおかしくない。いや、むしろ読むほうが飽きて不思議はない。と思ったら大間違いです。まあシリーズを順番に読んでる人の場合だけですが。
金しか信じない事業家のヒーローと、目の見えない美人さんなピアニストなんて、普通に恋しても面白くなりそうじゃないですか。
実際面白いんです。
ヒーローの王になるかならないか問題と、同じくヒーローの息子問題が、ストーリーの半分以上を占めているというのに、丁寧に、むしろ念入りなほどヒロインの心の変化を描いて、ヒーローの思いに感動する、必要十分な恋愛物になっています。
恋愛を噛みしめるように味わった後で、子供ポイント高し。
【もにょるポインツ】
この段階であの条件を出すとか、ジョルジョ王は幸せになれない人だなあ。
だから、結婚生活も上手くいかないんですよ。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
チャラ男と思われたアダムが、エレナを愛するのと同時に、父親の自覚を持っていく、一石二鳥のラブノーツ。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
しつこいようですが、チャラ男で女に手が早いと思われたアダムが、エレナを傷つけないよう大事に扱いすぎて、草食系どころか植物系だった彼女のほうが、勢いあまってアタックしちゃう、超キュン展開。
ワクワク度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
シリーズの中では意外性高し。でも、やっぱりそうなるのね。
ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
甘い甘いお話しなので、泣けるということはないのですが、2人のそれぞれの過去でプラス1。
もしもの離婚率 → 5%