百万ドルの償い (小倉つくし)
画/ 小倉 つくし
作/ マクシーン・サリバン @2008 Maxime Sullivan
題/ Mistress and a Million Dollars [Diamonds Down Under #3] (D-1282)
ハーレクイン darling! vol.43 疑惑のジュエリー
【個人的あらすじ】
オーストラリアでスーパーモデルをやっているヒロイン/ブリアナ・ダペンポートは、イメージキャラクターを務める大手宝石商社ブラックストーン・ダイヤモンズ・ジュエリーの前CEOの娘/キンバリー・ブラックストーンと、同社新CEO/リック・ペリーニの結婚式に招かれた。そして彼女は、弁護士のヒーロー/ジャロッド・ハモンドと再会した。
ジャロッドは、キンバリーの従兄弟だが、ブリアナの亡姉/マリスの夫でハモンド家当主/マットの血の繋がらない兄でもある。
ブラックストーン家とハモンド家は、以前から確執があり、会社同士は激しく争っているが、ブラックストーン前CEO/ハワードの妻が、ジャレッドやマットの養父であるハモンド家前当主/オリバーの妹/アースラなため、お互いは親戚関係なのだ。
母と姉を相次いで亡くしたブリアナが、父を心配して実家によると、ハワードの会計士だった父から「ブラックストーンの隠し口座から100万ドル横領してしまった」と告白された。ハワードはマリスと同じ飛行機事故で死亡しており、このままでは隠し口座の存在が表沙汰になるのも時間の問題で、父は犯罪者になってしまう。
一方のジャレッドは、そのハワードとマリスの関係を疑って落ち込むマットのため、情報を得ようとブリアナに「君を僕のものにしたい」と近づいた。
ジャロッドに惹かれていたブリアナは、軽い女として扱われたことに腹を立て、思わず「100万ドルでどう?」とあしらう。しかし、ジャレッドは金で解決できるならと、ここぞとばかりに「ベッドをひと月ともにしたら100万ドル払おう」と約束し――。
【おすすめポインツ】
一目惚れしたヒロインを信じられないヒーローが、彼女が金に困ってるのを幸いに、愛人契約してトロトロに溶かしちゃったけど、むしろメロメロにされちゃいました♡ ヒロインがどんな女性でも美しいから溺れちゃうし、彼女が困っていることなんか全部金で解決できるし、どうよ。というお話。
シリーズもの中盤らしくて話が見えないけれど、セックスシーンはこれまで読んだ中ではトップクラスです。
【もにょるポインツ】
ヒーローたちは全員間違いなく、ヒロインを誰かに“娼婦”扱いされたら、相手をボコボコにするでしょう。
しかしなぜか、自分が彼女を金で買うのは許せるんですよね。
それにしても、シリーズもの中盤ってお話的に不利だと実感しました。説明をちゃんとしないと意味が分からないことが多くて、なのに説明をしたらしたでストーリーが犠牲になりかねない。
――というのを加味しても、出会った時点で両想い丸出しのほぼ最終形態カップルで、外見と身体と財力の他に何の魅力があるのか説明なしにベッドへなだれ込んで、それ以降もセックス以外にデレがないのは読んでて辛い。愛人契約が、最後まで引っ張らなきゃいけない縦軸だとしても、もう少し盛れなかったかなあと思う原作。
あとマネージャーはどうにかして欲しかった。ヒーローが社会的にボコるとか。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
せめて最初くらいは契約以外でエッチしてくれれば…。それでも、ブリアナに本気になって苦しむジャレッドは可愛いので★1つ。
ドキドキ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
イチャラブ成分は少ないけど、本当にエッチシーンが綺麗で★プラス。
ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆
まだ3作目なのに、ブラックストーン・ローズの行方が分かったも同然ってことですね。これしか読んでないけど――マリスの父親が全ての元凶だったわけだ(笑)
ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
まず、亡くなった方に同情できる人がいなくて…。
もしもの離婚率 → 25%