シンデレラの涙 (葛城しずく)
画/ 葛城 しずく
作/ ベティ・ニールズ @1992 Betty Neels
題/ An Unlikely Romance (R-1023)
ハーレクイン darling! vol.43
【個人的あらすじ】
ロンドン:ティモシー病院で看護師見習いをしているヒロイン/ベアトリス・ダヴリン(通称トリクシー:23歳)は、オランダ出身・在住ながら欧州を飛び回る内分泌専門医のヒーロー/クレイン・ヴァーン・ダ・ブリンク・スカークスマ教授(38歳)に、淡い憧れを抱きつつ言葉も交わせないでいた。
10歳の時に事故で両親を亡くしたベアトリスは、父方の伯父宅に引き取られたが、家族ではなく使用人扱いの日々。
彼女はある日、従姉妹/マーガレットの誕生パーティを手伝わされるため、伯父宅へ呼ばれたが、そこにはクレインも招待されていて驚く。だが、美しく華やかなマーガレットら女性たちに囲まれた彼に、茶色のドレスで地味なベアトリスは、「私なんか気づかれなくてあたりまえ」と胸を締め付けられる。
後日、週に1度の回診に来たクレインは、病院内ですれ違ったベアトリスに、「あの茶色のドレスの女性は君だったのか」と声をかけてきた。
さらに1週間後の回診の前日、彼は2人っきりのディナーに誘ってきて、「僕には今、妻が必要で、その妻に君がふさわしいと思っている」と、突然プロポーズしたのだった。しかも、その理由は、愛からではなく本の執筆に専念したいためで、「僕が雑事に煩わされないように」という、つまり便宜結婚なのだ。
ベアトリスは、迷った末に結婚を承諾し、彼とともにオランダに移り住む。
オランダでクレインの家族に温かく迎えられたベアトリスは、表向きは幸せな結婚生活が始まるが、出張ばかりの彼と夫婦生活もなく寂しさを覚える。そんな彼女に、クレインの年下の親戚/アンドレ・ター・ファンヘ(30歳)が近づき――。
【おすすめポインツ】
最初に訴えたいのは!チビキャラヒロイン可愛いわ→。
ヒーローってば最初こそ、“頭と顔が良過ぎて性格おかしい奴”パターンかと思われたのですが、“頭と顔は良過ぎる癖に口説き方は知らん奴”でしたね(笑)
それにしても、一目惚れしたからって、いきなり「その気になれば(モテモテだから)どんな女性とも結婚できるけど(見合い攻撃パーティが激しくなって)人付き合いがめんどくさいし、うまく取り計らってくれる妻が欲しいんだ」ってプロポーズ。そんな理由で自分も誤魔化してるけど、もう結婚したくてしょうがないから、会える機会があるたびにデートに連れ出しちゃう。
ヒロインが傍にいる時は、他の人からの嫌がらせなどから全方位バリアーで守るし、嫉妬もするし、綺麗に綺麗に飾りたいんですよね。
無自覚な不器用ヒーロー大好物です美味しすぎます。
【もにょるポインツ】
小説ではなく漫画なので、絵で表現されてるのはいいのですが、登場人物の顔の部分アップでムード出されてる場面が多すぎます。恋愛物なので、もっと触れ合ったり視線を交わしたり表情を出してもらいたかったかも。
せめて結婚式のキスやハグくらいは、ちゃんと見たいです。
それから、ヒーローの失恋とか、「こういう事情だから君はついてこないほうがいい」とか、説明が足りないのか伏線が回収されてないのか、モヤモヤしちゃいます。
ところで、ヒロインは自分のことを、地味でブスだと卑下しまくるのですが、こんな可愛くて美人じゃ嫌味ですよ…。だって、ヒーローの好みだったから一目惚れされたんですよね? え、本気で「落ち着きがあって感じがいい」とかじゃないですよね?
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
クレインときたら、最後の1日まで抱きしめもしないとか、便宜結婚にもほどがある。ゼロでもいいかもしれない。
ドキドキ度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
あーもー愛してるんでしょう? 遠慮も行き過ぎると毒ですよ。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
最初に読んだ時に、ペットの多さにびっくりしました。話に関係するのかと思ったらそうでもないし(笑)
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
仕事の資格の勉強を辞めさせて強引に結婚して、外国まで連れて来て、本の執筆が終わったから出て行っていいとか、ベアトリスはもっとクレインに怒っていいです。
もしもの離婚率 → 70%