値札つきの愛 《キンケイド家の遺言ゲーム3》 (藍まりと)
画/ 藍 まりと
作/ エミリー・ローズ @2008 Emilie Rose Cunningham
題/ Wed by Deception [The Payback Affairs #3] (D-1343)
ハーレクイン 増刊 2015年 初夏号 《キンケイド家の遺言ゲーム》
ボスと秘書の
【個人的あらすじ】
客船運航会社キンケイド・クルーズ・ラインで、有能な総務部長として会社を支えていたヒロイン/ナディア・キンケイド(30歳)は、本拠地マイアミを離れ、ダラスのペントハウスで月2千ドルの半軟禁生活を過ごしていた。
同社CEOの父/エベレットが約2か月前に亡くなった際、公開された遺言状で、彼女が遺産を受け取る条件がこの生活を1年間続けることだったのだ。長男/ランドと次兄/ミッチにも、それぞれ1年を期限とする相続の条件があり、3兄妹の誰か1人でも失敗した場合、会社はライバル社に1ドルで売却されるという。
そんなある日、買い物から帰ってきたナディアの前に現れたのは、11年前に死んだはずの夫であるヒーロー/ルーカス・ダニエル・ストーン(32歳)だった。
夢か現か自分がおかしくなったのかと、ナディアは気を失い、彼女の隣だというルーカスの部屋で目覚めた。なぜ生きているのに会いに来なかったのか責めるナディアに、ルーカスは「君のサインした離婚届を見た」「姿を消す代わりに200万ドル受け取った」と衝撃の告白をした。
裏切られたショックで自分の部屋に帰るナディア。
片やルーカスは、11年前の出来事からキンケイド家への復讐に燃えており、まず元妻を取り戻そうと企んでいて――。
【おすすめポインツ】
死んで蘇るとか、ヒーローってばさすがDの一族ですね(笑)
ていうか、もうヒロインが可愛すぎて、いや年齢的に褒めてないかもしれないけど、もうヒロインが可愛すぎて、今時点で最高点ですね。
ヒーローと自分の頬をつねるシーンとか、電車の乗り方を知らなくて歩いちゃうとか、路上で掴み合っちゃうとか、命令されたらじんましん出ちゃう宣言とか、お嬢様の中のお嬢様でありながら、自覚と矜持もあります。まるで、エンドウ豆の上に寝た姫じゃないですか。たぶん、傷つき過ぎてしまって、どんな柔らかいものの下の違和感にも気づいてしまう。
ぷちネタバレですが…彼女が事故の傷を晒したとき、クソ親父をバイオハザードしたかったです。
【もにょるポインツ】
ヒーロー妹よ、一度も連絡を取らなかったのは、ヒロインじゃなくてヒーローだからね。
あと何度でも書くけれど、ヒロインのクソ父は本当に罪が深すぎて、最後にいい人っぽくなるのが許せなくて、最後は本を投げるパターンです。今はデータなので投げられないのが本気で残念です。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
ナディアが可愛くて好みで、全体的に満足感もものすごく高かったし、兄ちゃんズも頑張ったと思う。でも、ルーカスが11年間、復讐に目がくらんで彼女を疑い続けたのでマイナス1。…11年は長い。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
いろんな意味で、ナディアを愛してやまないルーカスでした。穴が2つに増える前に気づけてよかった。
ワクワク度 ★ ★ ★ ★ ☆
途中まで、「あーあ、もうセックスなのか。どうせこれで愛してるとか許すとか言って、大団円なんだろうな」とか思ってて、本当にごめんなさいでした。
ウルウル度 ★ ★ ★ ★ ★
ナディアの「私はあなたの復讐の道具なんかにならないわ」で何度泣かされたことか。エッチしただけで全て許すヒロインが多い中で、流されず諦めずキッパリ言ってやったね。もう惚れる惚れた。
もしもの離婚率 → 1%