※ただし「好きな人(イケメン)」に限る

たとえ裏切られても、まさか復讐されても、よもや利用されても、もしも脅迫されても、万が一 レ○プされたとしても・・・あなたを愛しているから、すべて許せるの!

落札された口づけ (山本鹿乃子)

画/ 山本 鹿乃子
作/ アビー・グリーン @2009 Abby Green
題/ Mistress to the Merciless Millionaire [Quinn Siblings #2] (R-2664)

ハーレクイン オリジナル 2015年7月号

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【個人的あらすじ】

 世界的モデルのヒロイン/ケイト・ランカスターは、アメリカ:サンフランシスコのチャリティ・オークションに『自分とキスできる権』を出品。それを80万ドルという高額で落札したのは、ケイトの親友/ソルカの兄にして、スペインで金融王のヒーロー/ティアナン・クインだった。
 彼こそ、ケイトを10年前に絶望に突き落とした初恋の相手――ステージの上で混乱するケイトに、ティアナンは真っ直ぐ近づいて熱いキスをした。
 茫然自失のまま会場を後にしたケイトは、見知らぬバーへ逃げるように入ったが、ティアナンが追ってきて、「君はキス以上のものを求めている」「週末に食事をしよう」と口説き始める。もう2度と傷つきたくないケイトが、「あなたの戦利品になるつもりはないわ」と断ると、クインは「君が来ないと娘のロザリーがガッカリする」と脅すようなことを言って、彼女に承諾させた。

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【おすすめポインツ】

 可愛くて出生に悩むヒーローの娘が、ヒロインの優しさに支えられ、ヒーローとの親子の絆を取り戻し、新しい家族を手に入れて幸せになる物語です。可愛い子が幸せになれるのは眼福です。イケメンセレブの彼氏もいいけど、イケメンセレブの父親というのも、妄想的にヨダレが出ます。
 ところで、恋愛漫画の世界で初めて、ギリシアの億万長者がイケメンばっかりじゃないと知りました(笑)

【もにょるポインツ】

 ヒーローが、セックスのことと娘のことしか考えていない。
 あれほど金と策略を使ってヒロインを南の島に連れ出しておいて、さらにヒロインに娘と自分の仲を取り持ってもらったくせに、女子2人が仲良くし始めると、「子供を利用して僕の再婚相手になろうとした」と激怒する。そうしてヒロインを追い払った後は、彼女を忘れるために女性と遊びまわる。何がしたいのか分かりません。
 ていうか、まず10年前の振り方が極悪。その言い訳も人でなし。
 他の女性に傷つけられたからといって、ヒロインの人格を傷つけることないと思う。なのに「愛している」だけで全て許されるんだからすごい。ヒロインはヒーローのどこを好きになったのだろう。

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【勝手に印象三昧】

 ラブラブ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 ヒロインのラブ度は置いといて、ヒーローのは愛なのかな。

 ドキドキ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆

 最後の流れ以外は、愛情表現としては味気ない。そのせいでセックスが微妙にすら見える。

 ワクワク度 ★ ★ ☆ ☆ ☆ 

 南の島にさらわれたところまでは、どんな熱い展開になるのか期待しました。ソファでのキスシーンや島の海辺は、絵も美しくて胸キュンです。

 ウルウル度 ★ ★ ★ ☆ ☆ 

 ヒロインがヒーローに捨てられるところで、もうヒーローは一生後悔しろ! そのまま娘にも見放されて寂しく◯んじゃえ! と思いました。ヒーローは、娘を利用してヒロインを誘き寄せたくせに、何が「これ以上ケイトをロザリーに近づけてはいけない!」だバカ(涙)

 もしもの離婚率 → 80%

 こういう再会物は、どうしても2人の出会いが省略気味で、ヒーローの魅力が解りにくい。さらにティアナンの場合は、ケイトのことを全く信用していないし、ユーモアや思いやりも分かりにくい。
 物語の肝は、全てケイトが行動した結果なので、彼女が諦めたら試合終了ですね。

【胸キュン最高点】

ティアナン「なんのつもりだ ケイト! 君は僕の妹の友人なんだぞ!? 子供がバカげた勘違いをするんじゃない」 とフラれた10年前に諦めてもよかったのにケイト(涙)