ギリシアの無垢な花 (ながさわさとる)
画/ ながさわ さとる
作/ サラ・モーガン @2013 Sarah Morgan
題/ Sold to the Enemy (R-2917)
ハーレクイン darling! vol.45
【個人的あらすじ】
ギリシャの名門令嬢であるヒロイン/セレーネ・アンタクソスは、冷酷な父/スタブロスによって、母とともに実家のあるアンタクソス島に半ば幽閉状態されて育った。スタブロスは、表向きは立派な実業家だが、外では愛人と遊びながら妻と娘には勝手な行動や外出を一切許さず、少しの反抗どころか小さな不服でさえ暴力で抑える男なのだ。
我慢ができなくなったセレーネは、父が旅行に行くのを見計らい、とうとう修道女に変装して島を抜け出した。
セレーネは、5年前のパーティで、父のライバル会社を経営するヒーロー/ステファン・ジアカスに、「やりたい夢があるなら話を聞こう」との約束をされており、一縷の望みをかけて彼に会いに行く。彼女の夢は、フレグランス・キャンドルで事業を起こし、母とともに父から自立することだった。
ステファンは、セレーネの事業計画に出資する約束をし、彼女をパーティへ誘う。
彼をヒーローだと信じるセレーネは、パーティでキスをして、そのまま体を許してしまうが、ステファンには別の思惑があった。わざとライバルの娘である彼女とのデートをマスコミにリークするという目的が――。
【おすすめポインツ】
タイトル通りにイノセントなヒロインのお話です。
世間知らずではありますが、かといってセックスや金に流されず、自分でどうにかしようとする潔さは素敵。…まあ結局、ヒーローの力を借りるとしても、そこは話が進むためのお約束♡
ヒーローは、最初から最後までヒロインが好きで、表でも裏でも手を回しまくり。なのに「愛してる」だけが言えないガンデレ(ガンガン攻める頑固なデレという造語) ヒロインが本当にピンチになると、駆けつけて助けてくれる白馬に乗った王子様。最初から最後まで文句のつけようがありません。
【もにょるポインツ】
ものすごく好きなヒーローで、話もツボっぽくて、絵のことは評価に入れたくないけれど美麗で目に嬉しいのに、なぜか読後感が幸せじゃないのです…。
ページ8割目くらいがクライマックスで、オチの弱さが微妙です。
結婚式シーンがないし、ヒロイン父に捨て台詞を言われても放置なだけだし、ヒロイン母がどうなったかも出てこないし、ヒーローが「愛してる」を言えない理由があれだけなのもガッカリ。そのあとのプロポーズも「あれを見てもらったほうが早い」とかヒーローが言うから期待しすぎちゃったのかもしれないけれど消化不足感でした。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
ステファンは見た目も心もイイ男でした。ただ、あの愛についての説明は、プロポーズのあとにまとめてしても良かったし、出会いのシーンは何度も要らないと思うし、その分イチャイチャに回して欲しかったので、★マイナス1。
ドキドキ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
ステファンはセレーネが好きで、セレーネもステファンを好きなのはバレバレですが、愛し合ってる雰囲気は少なめですね。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
セレーネの性格がコロコロ変わるのが不思議で…。
ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
思い入れの拠り所を掴みかねました。
もしもの離婚率 → 40%