悲しみの出会う島 (藤本さみ)
画/ 藤本 さみ
作/ マギー・コックス @2006 Maggie Cox
題/ The Mediterranean Millionaire's Mistress (R-2222)
ハーレクイン 増刊 2015年 春号
【個人的あらすじ】
イギリスでブティックを経営していたヒロイン/イアンテ・デインは、親友の死などのショックが続き、店も閉めて癒しのためにギリシャへと旅立った。
そこで立ち寄った小さな島のギャラリーで、彼女が初老の女性の写真に目を奪われていると、ブルーの瞳のハンサムなヒーロー/リュサンドロス・ロザキスが、ギリシア語で「この写真が気に入ったのかい?」と話しかけてきた。イアンテが「このカメラマンは天才ね」と褒めると、彼は「天才にはほど遠い」「これは僕の作品だ」と謙遜した。
意気投合した2人は、食事に出かけ、リュサンドロスの妻との死別の話などから、さらに心が近づいていき、その日のうちに愛し合う。
翌日、浜辺で戯れる2人を邪魔するように、高級クルーザーが沖に現れて――。
【おすすめポインツ】
ヒーローの辛い過去と、ヒロインの深い苦悩が、全く違う方向からやがて重なり合う、これぞハーレクイン的運命の2人。
ハーレクイン的運命なだけに、結ばれるのは当たり前としても、簡単にはいかせてくれません。このページ数でこれだけの伏線を張り巡らせて、かつ昇華させる、原作の素晴らしさもさることながら、漫画家さんの今作の力量にも感服しました。
最後には、一番反対したヒーロー父から、物語の表面には出てこないけれど一番苦しんだ人まで、密かにちゃんと幸せになってくれたことが嬉しかったです。
あと、業界的な話(笑)になってしまうのですが、ネットでの試し読みって最長50~51ページなんですよね。この作品の50ページとかまで読んで焦らされた日には、わたしだったら間違いなく買っちゃいますね(笑)
【もにょるポインツ】
ものすごく上手くまとまってる代わりに、絵コンテ風の盛り込みすぎや急ぎ足が感じられる部分があって、ほんの少し残念でした。
あと、わたしのような通俗的恋愛ミーハーにとっては、ハーレクインお約束のヒロインのドレス姿どーん!とか無理やりキスばーん!とかそういう安上がりなドキドキがもっと欲しいんですよね(笑)
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
イアンテを愛しているリュサンドロスの気持ちは完璧。なので本来は星5つなのですが、避妊しないでエッチしちゃったからうんぬん、というので微妙にマイナス1。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
金持ちでセレブで誠実でイケメンで愛を求めまくってるリュサンドロスにケチのつけようがありません。
ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆
あまりに綺麗に伏線が決まったのがびっくり。
ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
ここが泣き所、というところの説明が若干ふわふわな感じで…。でも、ラストのイアンテのセリフにプラス1。
もしもの離婚率 → 3%