※ただし「好きな人(イケメン)」に限る

たとえ裏切られても、まさか復讐されても、よもや利用されても、もしも脅迫されても、万が一 レ○プされたとしても・・・あなたを愛しているから、すべて許せるの!

麗しの侵入者 (福田りお)

画/ 福田 りお
作/ アシュリー・サマーズ @2001 Faye Ashley
題/ Beauty in His Bedroom (D-951)

ハーレクイン darling! vol.44

f:id:prevh:20160119091258j:plain

f:id:prevh:20160119091313j:plain

【個人的あらすじ】

 アメリカ:テキサス州で不動産管理会社に務めるヒロイン/レジーナ・フリン(通称ジーナ)は、2か月前に自宅を焼失し、全寮制特別支援学校に通う妹/ケイティの学費にも困る有様。とうとう、禁断の果実――彼女が管理を担当している豪邸で、アフリカ放浪をしている持ち主が何年も放置している“理想の家”に、勝手に住んでしまおうと。
 しかし、家の持ち主で獣医のヒーロー/クリント・ホイットフィールドが一時帰宅し、ジーナの希望は断たれた――はずだったが。
 初めこそ、不法占拠して開き直る高飛車女と、不本意な帰国と空腹で苛立つ野生動物男で、非難と議論の応酬となったが、ジーナの食事と事情で態度を軟化したクリントは、この家が売れるまでのハウス・シッターとして彼女が住むのを許した。

 そして、次第に惹かれあう2人だったが、クリントには最愛の妻を失った過去があり、「本物の愛は一生に1度」と決めていて――。

f:id:prevh:20160119091322j:plain

f:id:prevh:20160119091328j:plain

f:id:prevh:20160119091342j:plain

【おすすめポインツ】

 おすすめとして書くことではないのですが、ヒロインが自分に正直すぎて、厚顔無恥というか盗人猛々しいというか、我が儘で奔放なダメ女にしか見えないのです。おまけに、胸出しナイトガウンや際どいビキニで無意識っぽいけど誘惑し、セックスなんて人生のスパイスなどとヒーローを煽る。
 いかにも“女性に嫌われるオンナ”の典型ですよね。普通ならヒロインのライバルや当て馬で出てくるタイプ。
 だけれど、よく考えてみてください。ヒーローだったらこんな自己中なのはそこらじゅうにいるし、ヒーローだったらこういう傲慢不遜さは可愛い程度だし、ヒーローだったらこのくらいの俺様レベルは低いじゃありませんか(笑)

 なによりおすすめしたいのは、「(妻の死で)僕の人生は終わった」とか言っちゃう自称ストイック系ヒーローが、このヒロインに振り回されてメロメロになるところです。最後には、帰宅時にヒロインがいなかっただけで不安になり、出張から返ってきた彼女をリビングで押し倒してしまうほど♡
 そして、色気ポイント高し。女性にはアピール低いかもしれないけれど、やっぱり色気は大事です。

【もにょるポインツ】

 今作、言葉や間や場面が微妙すぎます。あとトーン使い過ぎ?(笑)

 ヒーローの家に無断で入り込んだ直後、「それまで、ここは私の家よ!!」じゃいやらしい。せめて「留守番をするわ!」くらいだったら可愛いのに。
 ヒロインの結婚が流れた話を聞いたら、ヒーローは相手に怒るか嫉妬するくらいないとつまらない。
 まあ、過去に傷ついたヒーローが「一生の愛は1度」とか言って、惹かれかけてるヒロインを振り切るのはいいけれど、亡妻を「内面も外面も完璧」と言い切っちゃうのはどうなのか。『奥さんとの楽しかったバカンス』を語るなら、ヒロインを嫉妬させるのを目的にしてるんじゃなければ、彼女の焼き餅くらい理解して欲しい。
 雨の日のキスの場面は、ヒーローが不安になった過程が分からないし、ヒロインをまたすぐ突き放すのも理解できない。
 そして、完璧な妻だったはずが、後半にどんでん返しするんだったら、ちゃんと伏線を入れておかないとズルい。
 あと、ヒーロー兄やヒーロー義母の感謝祭のエピソードは、最終的に大して話に絡まないのだから、できればうまくバッサリ切ってしまって、最後のシーンがセリフで駆け足にならないように調整すれば、読後感もいいし分かりやすかったのに。

 原作ありきなロマンス物では、漫画家さんが工夫できることは少ないだろうけれど、そういうところを何とかできたら、面の皮が厚いままのヒロインではなく、甘い愛されキャラに変身できたかも…。
 扉ページに“初登場”の煽りがあるので、この漫画家さんはこの手の作品を描くのは初めてなんですね――セクシーなまま伸びてくれるかなあ。

 というか暑苦しく力説しちゃった恥ずかしいじゃないか。

【勝手に印象三昧】

 ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆

 神様に交渉してみたよ♡

 ドキドキ度 ★ ★ ★ ☆ ☆

 これくらい愛されれば嬉しいよね。クリントの義母であるキャスリンの「心をフェンスで守るため」というのが本当なら、そこら辺じっくり描かれていれば満点でした。

 ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆

 いつも、積極的なのは男性側が多いので、ジーナの強力アプローチは新鮮。

 ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 むしろ、泣き要素を無視したらいい流れだったかも。

 もしもの離婚率 → 10%

 帰る場所を探し続けたクリントにとって、ジーナはちゃんと“家”になれるでしょう。なぜか分からないけど、彼は大金持ちみたいなので、ケイティの世話をしながら牧場に住んでもいいんじゃないかな。

【胸キュン最高点】

クリント「感情がまったくコントロールできない!」 ですよね(笑)