※ただし「好きな人(イケメン)」に限る

たとえ裏切られても、まさか復讐されても、よもや利用されても、もしも脅迫されても、万が一 レ○プされたとしても・・・あなたを愛しているから、すべて許せるの!

ボスと秘書の十二カ月 《キンケイド家の遺言ゲーム1》 (藍まりと)

画/ 藍 まりと
作/ エミリー・ローズ @2008 Emilie Rose Cunningham
題/ Shattered by the CEO [The Payback Affairs #1] (D-1331)

ハーレクイン 増刊 2015年 初夏号 《キンケイド家の遺言ゲーム》

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【個人的あらすじ】

 アメリカ:マイアミで小さな会社の秘書をしているヒロイン/タラ・アンソニーは、3か月前に亡くなった母の治療費のために借金を背負い、忙しく仕事をしていた。
 そんなある日、5年前に突然別れを告げた恋人/ランド・キンケイドが訪れ、「1年間、僕の個人秘書として働いてもらう」と宣言した。客船運航会社キンケイド・クルーズ・ラインのCEOだった彼の父/エベレットが、遺言に託した条件なのだという。
 もしも、ランドが条件をクリアできなければ、彼の弟/ミッチと、タラの親友で彼の妹/ナディアも、遺産を受け取ることができないのだ。

 ランドは、誰も愛さず結婚もしないと心に決めており、5年前にタラと別れた理由は、彼女が「愛している」と言ったせいだった。それでも、彼女のその後が気になり、様子を見に行ったランドの前で、タラはエベレットの腕の中に抱かれており、ランドはショックで家族の前からも行方をくらましてしまった。
 一方のタラは、まだランドを本気で愛しており、これを切っ掛けにやり直せないかと思案して、「その1年間、私のベッドのパートナーになって」と要求する。
 そして、2人の契約同棲が始まったのだが――。

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【おすすめポインツ】

 愛し合っているのに、不器用同士ですれ違ってしまう2人。いや、ヒロインはかなり積極的ではあるけれど、そっちに走っていってもいいの? と思わずにいられない。思わずにいられないけど、その情熱でヒーローを早く墜とせばいいのに、と胸がキュンキュンしてしまう。

 あと、ヒロインのカールした髪の毛が可愛くて、カラー・ページが無いのがくやしい。髪色の表現も無かったので想像するしかないのですが、茶色なのかなあ、赤毛でもいいなあ。

【もにょるポインツ】

 まず、子供の頃からの刷り込みとはいえ、『誰かを愛したら不幸にしてしまう』とか悩みつつ、女性と関係もたなきゃ気が済まない男は、修道院で修行したほうがいいと思います。

 以降ネタバレなので、作品未読の方は御遠慮ください…。

 

 ていうかクソ父、「妻を裏切ったことはない」とか言って、息子の彼女を片っ端から味見して試すのはいいのか。ヒロインが合格だったんなら、なぜそれをヒーローに教えなかったのか。なぜ、2人が離れていくのが分かっていて、ヒロインを引き止めず辞めさせて苦労させたのか。死んでから愛してると言えば、すべて許されるのか。
 ヒーローもヒーローです。ヒロインが気になるなら、1度でも彼女の生活を見にくればよかったのに。ていうか、弟妹にすら連絡しないって意固地か。
 ヒロインも、そこまでヒーローを愛してるのに、彼のことが気にならなかったのか。あれだけの会社の御曹子の動向が、ニュースにならない訳がないというか、新聞の人事欄にも載っているはず。

 いずれも、矛盾があり過ぎるのに無視されてるし、御都合的流れも納得いかない。
 ミニ・シリーズでありがちな、話数を膨らませるために不自然に作られているストーリーな気がして、どこかのめり込めなかったのが残念です。

【勝手に印象三昧】

 ラブラブ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆

 ランドは、嫉妬するていどかセックスしたいだけの愛情に見える。自分が傷ついたからって、相手に許してもらえて当然と思うのはずるい。

 ドキドキ度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 結婚するまで、ランドからタラを求めることはないし、むしろ彼女を追いこむだけ。たまには甘くないのもいいけれど。

 ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆

 本当に予想通りだったんです。でも、ナディアに星1つ。

 ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆

 自分がタラの立場だったらと思うと、ランドの別れ方も、お母さんへの後悔も、どれだけ苦しかったかと…。

 もしもの離婚率 → 50%

 これ以上、タラが苦労するのは嫌なのですが、エベレットにそっくりなランドは、やっぱり、どんなに愛していても相手を傷つけそうです。ランドが、タラとナディアに一生感謝して生きられればいいなあ。

【胸キュン最高点】

ランド「ただの仕事として ベッドに入るんだ」 男は仕事でベッドに入っても良くて 女は金目当てじゃダメなんですね