望まれぬ妻 (桜野なゆな)
画/ 桜野 なゆな
作/ メラニー・ミルバーン @2011 Melanie Milburne
題/ The Wedding Charade [The Sabbatini Brothers #3] (R-2671)
ハーレクイン darling! vol.44
【個人的あらすじ】
会計事務会社の社長令嬢であるヒロイン/ジェイド・ソマーヴィル(26歳)は、大手ホテルグループを経営するサバティーニ一族の三男であるヒーロー/ニコロ・サバティーニ(通称ニック:33歳)に結婚を迫った。
ニックの父親が遺した遺言によると、2人が期限内に結婚しない場合、ニックが相続権を失ってグループ株1/3が外部に流出する。それだけならジェイドには何の関わりもないことだったが、彼女が遊び歩いていると咎める父親が、ジェイドがニックと結婚しなければ援助も相続も無くすと言うので、彼女にとって他人事でなくなってしまったのだ。
実は10年前、ジェイドはニックに告白したが、彼に冷たく拒絶されている。そして今回も、「アバズレとは結婚しない」と突っぱねられてしまい――。
【おすすめポインツ】
ヒロインは、失読症という障害がありながら、彼と自分の窮地には行動する勇気があり、マスコミを利用するような頭の良さと、優しい絵を描く才能もある。持っていないのは男性との駆け引きスキルでしょう。それも、10年前にヒーローが、知らなかったとはいえ最悪に彼女を傷つけたからで。
本当に幸せになってよかった…。
【もにょるポインツ】
ヒロインは可愛くて頑張ってて大好きです。
お話も、成長する彼女のシンデレラ・ストーリーとして、本当に素敵だと思います。
ヒーローが大嫌いです。
自分やその兄弟は、ゴシップ記事になっても事実じゃないと分かっているのに、ヒロインに対しては「記事がでっち上げならば証拠を示せ」と言う。
結婚は1年だと決めたくせに、結婚したとたんにキスはするわセックスはするわ。
なによりも、知らなかったとはいえ学習障害があるヒロインに、告白を断るために「もっと勉強したら」と深く傷つけた。そのせいで彼女に男の噂が絶えないのを勝手に軽蔑をする。
ヒロインの醜聞は「我が家の汚点になる」と貶めるくせに、騒ぎにしないで事を収めようとした彼女に、「怒るところを間違えている」と責める。
彼女がした告白を2回とも自分の自信のなさで断ったヘタレが。
ヒーローがヒロインへの気持ちを自覚した以降は、極端な対応が減ったものの、言葉で表されるだけでピンとこない。
10年前の友人とのケンカは、その頃からヒロインを好きだったと言いたいんだろうけど、だったらそれをヒーローの行動と気持ちとして、わたしは見たい。結婚式で美しいと褒めるなら、ウエディング・ドレスで現れたヒロインに見惚れるヒーローを、わたしは見たい。遺産が目的だから1年で離婚するって平気で言えてるようにしか見えないヒーローが、本当はどう思ってるのか、わたしは見たい。
もしかして、ヒーローってばサイコパスの気があるのでしょうか…。
それ以上に、ヒロイン父がひどすぎるので、もっと思い知ればいいと思います。まあ、娘を心配してるだけかもしれませんが。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
ニックがジェイドを愛しているのはよく分かります。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
本当なら★2レベルなのですが、ジェイドの勇気に★プラス1、ニック父に★プラス1です。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
セックスの最中に泣いちゃう展開は初めてかも。
ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
ジェイドに感情移入して…。
もしもの離婚率 → 5%