シンデレラとチョコレート (荻野目かおる)
画/ 荻野目 かおる
作/ ルーシー・モンロー @2013 Lucy Monroe
題/ MILLION DOLLAR CHRISTMAS PROPOSAL (R-302)
ハーレクイン オリジナル 2015年3月号
【個人的あらすじ】
コールオペレータとして働くヒロイン/オードリー・ミラー(27歳)。両親から同性愛者という理由で捨てられた高校生の弟/トビーと暮らしており、学業優秀な彼を大学に行かせてやりたいが、今の給与では学費が捻出できず悩んでいる。
ヒロインの働く会社のCEOで、日頃の忙しさをチョコレートで癒しているヒーロー/ヴィンチェンツォ・トマジ(通称エンツ:35歳)。弟夫妻が半年前に事故死し、姪/フランカ(4歳)と甥/アンギル(8か月)の2人を引き取ったが、自分の忙しさと「2人にいい母親を与えたい」との思いから、報酬1千万ドルで妻を募集しようとする。
ある日偶然、母親募集の発表前に噂を耳にしたオードリーは、「1千万ドルあればトビーが大学へ行ける」と、エンツのオフィスにアポなし突撃したが、「僕は暇じゃない」と追い返されてしまった。しかし、冷たくしたものの、オードリーが気になるエンツは、母親候補のリストに彼女を加える。
オードリーはフランカやアンギルと馴染み、エンツとトビーも親しくなり、とうとう2人はベッドイン。
しかし、関係が深まるほどにオードリーは不安でーー。
【おすすめポインツ】
困っているヒロインを、白馬の騎士のごとくヒーローが助ける、ハーレクインの王道。お互いに親に恵まれなかった2人が、寄り添っていく過程が優しい。
2人を取り巻く、姪フランカの可愛さや家政婦ミセス・パーシーおば様の肝っ玉さ、トビーの姉への心配などにほっこり和める。
ヒーローがチョコレート中毒という設定を生かして、ヒロインをチョコまみれにするという、ハーレクインには珍しいソフトSM要素を取り入れた大胆さも面白い。
とにかく、愛し合ってる感があって安心して読める。
【もにょるポインツ】
この作品に限らず、偽装結婚物や愛人契約物でいつも疑問なのですが、これって売春ですよね。
金で妻を買うという発想から微妙ですが、半分冗談とはいえ「母親審査にはセックスも含まれるよ」なんて完璧なセクハラ&パワハラというか人権侵害だし、ましてやセックスしてまで「愛してる」の一言もないなんて、ヒロインも感じているように金銭だけの関係にしか思えないんです。
今作というより、ハーレクインへの不満ですけどね。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
先に書きましたが、とにかくラブラブ感が好き好き。
やっぱり、ヒーローに愛されるヒロインっていいよね、としみじみ思える。プロポーズのやり方で悩むヒーローの可愛い姿も見もの。
周囲のキャラもほんわか可愛く気持ちいい。
ドキドキ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
まさか別の妻候補はいないよね? どういうプロポーズ? と心配するのは数ページ(笑) 安定のハッピーエンド。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆ / ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
王道恋愛モノだけに、良い意味で不安や涙はありません。
もしもの離婚率 → 20%