初恋はプリンスと (瀧川イヴ)
画/ 瀧川 イヴ
作/ キャスリン・ジェンセン @2003 Kathryn Pearce
題/ Mail-Order Prince in Her Bed (D-1039)
ハーレクイン darling 2015年 vol.41
【個人的あらすじ】
アメリカ:ワシントンD.C.の広告会社で働くヒロイン/マリア・マクファーソン(25歳)は、たった1人の家族である母を昨年亡くし、今年の誕生日は寂しく過ごすはずだったが、同僚たちの悪ふざけでプレゼントされたハンサムなエスコートサービスに連れ出された。
思わず高級車に乗ってしまったマリアだが、見ず知らずの相手とのデートやアバンチュールには興味はないと断る。だが、コールボーイとは思えない美形で品のいいヒーロー/アントニオ・ボニフェイス・イル・プリンチペ・ディ・カロヴィンニョ(カロヴィンニョ領主ボニフェイス家当主アントニオ)は、イタリアで何代も続くオリーブ園の経営者だと自己紹介し、彼女の誕生日を祝う2日間のデートを申し出た。
実は、アントニオの元従僕が、彼の名を騙ってコールボーイをしていたため、その尻拭いで謝罪に訪れたのだが、マリアの困った様子を見てつい誘い出してしまったのだ。
夢のような2日間が過ぎたあと、別れがたくなったアントニオは、「イタリアに来て我が社のマーケティングをして欲しい」とマリアを口説く。彼に惹かれはじめていたマリアも、「後悔しない生き方をしたい」と思い切って旅立った。
アントニオの故郷/南イタリア:プーリア州で、マリアを待っていたのは、歴史がある広大な農園だけではなく、彼の可愛い息子と厳しい母親で――。
【おすすめポインツ】
仕事くらいしか能がない、真面目で貞操観念の高いヒロインが、偶然会ったセレブ貴族イケメンに見初められ、後妻に収まるシンデレラストーリー。
…と書くと、彼女を揶揄してるようにみられるかもしれないけれど、そうじゃないんです。むしろ、初めから金持ちで自信満々のヒーローより、変化を望んで冒険したヒロインを応援したい。彼女は、変わらなければ寂しくても安定した暮らしができるのに、生まれ故郷を離れて異国へ飛び立つ勇気があります。ヒーロー母に疎んじられても、黙ってやられたままにはならない。
ヒロインが幸せになれるなら、ヒーローが「関係を約束できない」とか言っちゃうダメ男でもいいんです。
そして、子供ポイントめちゃ高し。海岸シーンとか本当に和む。
【もにょるポインツ】
確かにヒーローは、ヒロインの救世主なのでしょう。
でも彼は、母親の「うちの息子は貴族階級じゃない女性とは結婚できない」という言葉を否定せず、ヒロインの「つかの間の関係は嫌」という気持ちには「長い関係なら?」と答える、愛も約束も返せないクズにしか見えない。結婚できないと分かっててセックスして、子供ができたらどうするのだろう。無責任にもほどがある。
これを覆して理解できるほどのヒーローの魅力やロマンスが感じられなくて残念です。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
セックスしても子供さえ望めない関係は、やっぱり救われない気がしました。最後の事件がなかったら、マリアは宣言通りアメリカに帰ってますよね。
ドキドキ度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
マリアが幸せなったなからいいようなものの…。
ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆
最初から最後までお約束だった割に、予想外の事件が突破口に。
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
マリアの誕生日の諦めに★1つ。
もしもの離婚率 → 55%