ドクターはプリンス 《ニローリ・ルールズ2》 (津谷さとみ)
画/ 津谷 さとみ
作/ メラニー・ミルバーン@2007 Harlequin Books S.A.
題/ Surgeon Prince, Ordinary Wife [The Royal House of Niroli #2] (HNR-2)
ハーレクイン 増刊 2015年 夏号 《ニローリ・ルールズ》
【個人的あらすじ】
地中海の宝石といわれる島国ニローリで看護師をしているヒロイン/アメーリア・ヴィアーリは、訪問看護の途中で近道しようと空き家の塀に上ったが、見知らぬ男性の声に足を滑らせ、彼の腕に抱きとめられた。
その男性から、「ようこそかわいいフェアリー」「僕だけのピクシー」などと熱烈に口説かれ、アメーリアは気まずく逃げ出してしまう。
訪問先の噂から、その男性がオーストラリアの高名な心臓外科医であり、ジョルジョ国王の心臓治療と技術指導のため、彼女の勤める病院に1か月招かれたヒーロー/アレックス・ハンター准教授(36歳:メグの兄)だと分かる。その訪問の帰り、アレックスのことを考えながら歩いていたアメーリアに、彼が現れてまた言い寄るが、彼女は自己紹介だけで立ち去った。
実はアメーリアは、海賊の流れをくむ反体制派の一族として、ニローリでは差別を受けており、人付き合いに消極的なのだった。しかし、病院へ来たアレックスは、そんなことはお構いなしで彼女を誘う。
やがてアメーリアも、心の底でアレックスに惹かれていき、デートをするまでになるが、彼に近づくほどある疑惑が強まって――。
【おすすめポインツ】
可愛い素敵王子♡。書きたくないから一言なんじゃなくて、そう書かずにいられない好いたらしいヒーロー。会話も仕草も口説き方さえもセンスがあってクール。久しぶりにヒロインが羨ましくなるキュンキュンさ。
ヒロインも、ヒーロー曰く妖精というだけある可憐さ。湖のように澄んで潤んだ瞳が特に美しい。こんな初々しい愛らしい娘を苦しめる差別がひど過ぎるグルル。
今作とイザベラ姫の話がなかったら、このシリーズを好きにならなかったかもしれません。
【もにょるポインツ】
ヒロインの一族が、過去にどんなひどいことをしたとしても、彼女の罪じゃないと思う。この作品というよりも普遍的な意味で。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ★
ハーレクインで羨ましいと思うことは、実はそれほどなかったりするんだけれど、これは…こんな口説かれ方をされてみたいわ(笑)
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ★
こんなにイチャイチャしていて嫌味がない。と、ここまで絶賛しちゃってからいまさらですが、これはもしかして原作じゃなくて漫画家さんもすごいのだろう。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
シリーズ物の宿命として、設定から終わりが見えてしまうのは仕方なく。
ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
アメーリアの家族の苦境を考えると、アレックスもう早くさらってあげてと思うことしきり。
もしもの離婚率 → 3%