愛を知ったバルセロナ 《地中海を渡る恋2》 (伊藤かこ)
画/ 伊藤 かこ
作/ ルーシー・モンロー @2007 Lucy Monroe
題/ Taken: The Spaniard's Virgin [Mediterranean Brides #2] (R-2298)
ハーレクイン オリジナル 2015年4月号 《地中海を渡る恋》
【個人的あらすじ】
スペインのバルセロナで売り出し中モデルのヒロイン/アンバー・テイラー。真冬の海岸にもかかわらず、水着姿で携帯電話の夏用CM撮影を頑張っていた。
そこで彼女に声をかけたゴージャスな美男子が、CMスポンサーの親会社重役であるヒーロー/ミゲル・メネンデス。「君の笑顔は魂から輝きだしている」とアンバーに近づき、彼女の知的な受け答えや周囲への気配りを気に入り、「今夜、食事に誘ってもいいかい?」と口説く。
初めは警戒していたアンバーだが、運命を感じた彼女は、ミゲルに「一時的な関係だ」と釘を刺されながらも純潔を捧げる。
ミゲルは「君の最初の恋人になれて光栄だ」「もっと一緒にいたい」と、アンバーを2週間の南の島バカンスへ連れ出したが、甘い時間は瞬く間に過ぎ去り、別れ際、彼は「来週からプラハへ半年の長期出張に行く」と、2人の関係を一時的なものとして終わらせた。
『女性と過ごす時間は大好きだが、特定の女性と一生を共にするつもりはない』と。
ミゲルとの別れの辛さを乗り越え、仕事に打ち込むアンバーだったが、出生の秘密や体調不良、挙句に交通事故まで起こしてしまい――。
【おすすめポインツ】
前半までは、ヒーローがヒロインを甘やかし、ハーレクインならではのセレブ的超ラブラブが楽しめます。後半は、ヒロインが捨てられた後に苦難の連続となり、怒涛の展開からいきなり大団円を迎えます。
ある意味、ラブ好き大河好き涙好きのいずれにも勧められます。
【もにょるポインツ】
本当に個人的偏見で申し訳ないのですが、『結婚に縛られたくないが、女性とは遊びまくりたいから、次から次にセックスしては捨てるよ』とかいう男は、チン◯を切って修道院へ行け、と思います。
前半は本当にラブラブで文句なしです。
後半も、ヒーローはただ、一時的な関係だって同意の上でセックスして別れた、くらいの認識で、「一方的に別れて、メールも電話も無視してたけど、やっぱり会いたくなったから戻ってきてみたら、なんかひどい状態になってて後悔したよ、ごめんね」ってゲスなだけなのに、ヒロインが優しいから許しちゃった、ということですね。
このクズ男が金持ちでイケメンじゃなかったらどこに魅力が?
――と思いながら、腹が立って何十回も読んじゃうバカが、こういうブログを書いています。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
可愛くて知的で頑張るヒロインが、セレブなヒーローと南の島でイチャイチャという、理想的なアバンチュールは胸キュンです。
ドキドキ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒーローとの恋愛模様は、最初のバージンエッチが山場みたいなものでした。再会してからの2人は、あっという間にハッピーエンドだし…。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
最初、ヒロインがモデルとして成功するのかな、という期待があったのですが、違う方面でどんでん返しでしたね。
ウルウル度 ★ ★ ★ ★ ☆
妊娠から流産という、女性にとって死に匹敵するような不幸の中、ヒーローには見捨てられ、身近な家族の存在も揺らいでしまう、ヒロインが不憫過ぎて泣かずにいられませんでした。
満点をつけたかったけど、ヒーローにムカつくのが何とも納得できず。
もしもの離婚率 → 90%