恋の罪、愛の罰 《ファム・ファタールの息子たち1》 (羽生シオン)
画/ 羽生 シオン
作/ アビー・グリーン @2014 Abbey Green
題/ When Falcone's World Stops Turning [Blood Brothers #1] (R-3015)
ハーレクイン darling 2015年 vol.40 ファム・ファタールの息子たち
【個人的あらすじ】
ロンドン大学の研究者であるヒロイン/サマンサ・ローク(通称サム)は、研究費獲得を目論む学部長に強制され、昔勤めていた世界的企業ファルコーネ・モーターズの新研究所記念パーティに出向いた。だが招待状もなく、当然のように門前払いされ帰ろうとしたところで、同社CEOのヒーロー/ラファエレ・ファルコーネ――彼女が一番会いたくなかった男性に再会し、ゲストとしてパーティへ入ることができた。
4年前、2人は交際していたが、ラファエレはサムのことを遊びだと言い切っていた。しかし、妊娠に気づいた彼女が「関係を真剣に考えて」と求めると、彼は「愛や結婚を望んでいるなら」「終わりにしたほうがいい」と打ち捨てたのだ。
その後、サムは未婚のまま密かに、ラファエレとの息子/マイロを産み、シングル・マザーとして暮らしている。
ラファエレは、『気まぐれで不確かで残酷』な母親の影響で、『女には深入りしない』と冷淡に考えていたが、パーティの最中に他の男性から言い寄られているサムを見て、主催者にも関わらず思わず彼女を外に連れ出してしまう。そして、サムを家に送り届けた彼は、自分と同じ眼をした息子と衝撃の初対面をした。
相変わらずサムを軽い遊び相手として扱いながら、自分と血の繋がった跡継ぎマイロの親権を主張するラファエレに、サムは恐怖を覚える。
さらに彼は、大学へ資金提供の圧力をかけ、サムを自社の研究所へ移籍させた。その上、彼女を他の社員と隔離しておいて唇を奪ったり、挙句にサムの家に引っ越してきたり、「マイロのため」と強引に押し進めていき――。
【おすすめポインツ】
最初に思い切ってネタバレすると、このシリーズで個人的に一番好きなのは、三兄弟の母親です。彼女こそ幸せになるべきでした。
ハーレクインのヒロインには決してなれない人だけれど、強く潔く美しい。
そして、子供ポイント高し。可愛い和む。
【もにょるポインツ】
だから、『傷つくのが嫌だから女なんて愛せない』って野郎は、チン◯切って修道院に入ってればいいのに、っていつも思います。
それでも、ちゃんとヒロインを愛してくれるなら、キュンキュンしなくもないけれど、『自分が傷つくのは嫌だけど相手を傷つけるのは構わない』的な行動するゲス野郎は、一生、地下室にでも閉じこもってればいいのに、って本気で思いまくります。
ああ、こんな感じの何回目だろう…。
再会物なので、2人が惹かれ合う過程がすっぽり抜けている分、どういう魅力が引力が効力がそれぞれに働いているのか、分からないと入り込めません。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
愛された記憶がないと主張するラファエレは、嫌がらせにしか見えない愛情表現しかできませんが、よく読むと愛されていた自覚もあるらしいので、まずとにかく父親を見習ってください。
ドキドキ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ラファエレは、サムが「愛してる」と言ったら、泣いて嫌がってるのにレイプしてしまいましたとさ。サムも許しすぎでしょう。マイロくんの可愛さに★1つ。
ワクワク度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
最初のお母さん設定以外、そっくりな話が多すぎるので。
ウルウル度 ★ ★ ★ ☆ ☆
ここでもネタバレで申し訳ないのですが、ファム・ファタールことエスペランサと、ラファエレ父に★を捧げます。
もしもの離婚率 → 40%