愛のフルコース (高山繭)
画/ 高山 繭
作/ ステファニー・ハワード @1990 Stephanie Howard
題/ An Impossible Passion (R-1097)
ハーレクイン 別冊 2015年 vol.45
【個人的あらすじ】
イギリス:ロンドン郊外のイングランド東部ケント州で、J&Gケータリング・サービスを経営していたヒロイン/ジゼル・コープランド()は、共同経営者の親友/ジョアンがジゼルの恋人と駆け落ちしたため、会社を閉めざるをえなくなった。
全ての仕事をキャンセルしたが、金融業のレバノン人で大富豪のヒーロー/ファビーズ・デビディアン()だけは電話が繋がらず、直接、デビディアン邸に乗り込んだ。しかし、ファビーズは威圧的で、「きみは契約した、やってもらうよ。話は以上だ」と取りつく島もない。さらに彼は、ジゼルが事情を説明しても、女性は不誠実で信頼がおけないなどと吐き捨てる。
ジゼルは結局、車もキッチンも提供するというファビーズから、「メソメソしたままジョアンを恨んで過ごすか?」と煽られ、仕事を受けてしまった。
最後の仕事と定めたジゼルは、最高峰ハイレベルのディナー“愛のフルコース”を成功させたが、直後にファビーズから、ロンドンの高級一等地ベルグレービアにある自宅で、住み込みシェフを3か月やって欲しい、と依頼される。
反発しながらも、またもや仕事を受けてしまうジゼル。
ファビーズは、アラブ系のお客を招くディナーなどが多いため、ジゼルにムスリムに対する注意をした。女性の髪を見ることができるのは、その女性を支配する男性だけなので、きっちりとまとめて隠すように、など…。ジゼルは、なぜか嬉しくなる半面、女性の不自由さに違和感を感じる。
そのうちファビーズは、ジゼルに罰としてキスをしたり、娘/ラシャと会わせたり、私生活にジゼルを巻き込むようになり――。
【おすすめポインツ】
ヒロインに同情したり気をもんだり応援したりしているうちに、完璧な大団円までジェットコースターで連れて行ってくれる、確かに料理のごとくスパイシーなお話。可愛いというよりも天然な彼女が、ちゃんと頑張って幸せになるので、心から納得がいくし、スカッとする。
ヒーローは、ムスリムのいつものごとくのあれですが、周囲の女性は気持ちのいい人ばかりでよかった。
そして、子供ポイント高し。
【もにょるポインツ】
まあ、いつものごとくなので、ヒーローの女性蔑視が甚だしく、ヒーロー両親や姉たち家族の事情が分かってもプラスには転じませんでした。
この漫画家さんは、たぶん良く分かっている上手い方で、ヒーローの途中の説明や最後の焦りっぷりを少し盛ることで、批判を薄めるというか彼の可愛げを表現していて、それがなかったら投げ捨てる内容。というか、そういう言い訳がたくさん散りばめられていても、やっぱり好きになれませんでした。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
ジゼルは、ファイーズに認められたいと思って努力したし、それを叶えた上に結婚まで出来たのだから、そりゃハッピーエンドだけれども、彼のどこにそこまでの魅力があるのか分かりません。でも、ジゼルのやる気を出させたことに★+1。
ドキドキ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ファイーズの囲い方というか、ジゼルに対する態度自体に納得いかない。
ワクワク度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
前妻がそう来たか、という感じ。たぶん、話自体は好きです。
ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
うーん。
もしもの離婚率 → 88%