涙は愛の証 (桃佳みのり)
画/ 桃佳 みのり
作/ キャロライン・アンダーソン @2000 Caroline Anderson
題/ Delivered: One Family (I-1503)
ハーレクイン 別冊 2015年 vol.45
【個人的あらすじ】
イギリス在住の元人気モデルであるヒロイン/オリヴィア・ケンジントン(通称リブ:26歳)は、娘/ミッシー(3歳?)と息子/キット(0歳)を連れて行く当てが無く、5つ年上の幼馴染であるヒーロー/ベン・ウォリナー(31歳)の館を真夜中に訪ねた。リブの内縁の夫/オスカーは、浮気をした挙句、彼女と子供たちを家から追い出したのだ。
幼い頃、絵本の中のプリンセスを夢見るリブに、プリンセスを守る騎士と宣言されたベンは、恋心を隠して寄り添ってきたが、自分を頼ってきた彼女を改めて守ろうと決心をする。
一緒に暮らして世話をされているうち、今更ながらベンを男として意識し始めるリブ。
ベンの恋人や妻になる人に罪悪感を感じる彼女は、何とか自立しようとするが、彼に「僕には今後、恋人を作る予定はない」「忘れられない女性がいる」と言われて困惑する。それが自分のことだとも知らずに、ベンの想い人に嫉妬をして悩むリブに、ベンはなんと便宜結婚を申し込んで――。
【おすすめポインツ】
ヒーローではなくヒロインが天然私様なお話(笑)
髪色が金髪じゃなく黒だったというだけで、物心がつくかつかないかの初っ端に“非王子様”認定されるヒーロー。すっかり裏方気分になっていて、『(ヒロインへの)結ばれなかった想いを貫く』『(ヒロインだけ)愛し続けている』『(ヒロイン以外とは)もう二度と恋はできない』とか言っちゃって、本人のヒロインすら引かせる(笑)
その上、ヒロインときたら、ヒーローの最愛の人が『君が元夫と付き合いだした頃に別な男とくっついた』とまで聞いても、『誰なのかしら妬けちゃう』なんて悩むという、有機野菜しか食べないんじゃねっていうレベルの天然っぷり。
普通にハーレクインなときめきを求める方には、違和感があるかもしれませんが、たまにはこういう味も面白いと思います。
それから、子供ポイントが異常に高し。この漫画家さんは子供を描くのが上手いですね。
【もにょるポインツ】
ここまできたら、ヒロインの焼き餅など添え物程度にして、彼女を傷つけまいとついた自分の嘘に悶えるヒーローをもっと見たかった気がします。
会社にあんな妻専用ストーカー部屋まで作る彼ならやってくれるに違いない。
それと、ヒーローのイケメンさなど絵自体は好みなのですが、個人的にヒロインの眉がたまにすごく太いのが気になりました。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
ベンの愛は満点レベルですが、あの嘘が微妙というか半端で★-1。
ドキドキ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
原作通りだとしたら仕方がないけれど、絵本だの秘書だのは適当にスルーして、結婚式や新婚旅行のような直接対決なスレ違いがもうちょっと欲しかったかも。会社へ乗り込むだけで解決したのも物足りなかったんです。
ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆
妻専用ストーカー部屋に★+2。
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
リブの鈍さに泣かされるベンに★1つ。
もしもの離婚率 → 4%