貴公子と偽りの恋人 《ファルコン家の獅子たち》 (岡本慶子)
画/ 岡本 慶子
作/ ルーシー・ゴードン @2013 Lucy Gordon
題/ Falling for The Rebel Falcon [The Falcon Dynasty #4] (I-2307)
ハーレクイン 別冊 2015年 vol.43 ファルコン家の獅子たち
【個人的あらすじ】
芸能記者のヒロイン/エリカ・ハンソン(通称パーディータ)は、世界規模で活躍するファルコン家の内情を探るため、パリの超高級ホテルへやってきた。そこで、ターゲットらしき男性の注意を引こうと、階段でコケるふりをして本当に足を滑らせ、彼の足元へ転げ落ちてしまう。
しかし、パーディータを助けて抱え上げたのは、ターゲットのファルコン家3男ではなく、婚外子である4男のヒーロー/レオニド・ツァーレフだった。
ロシア:ロシトフに住むレオニドの母/ワリョーシカは、持病のため余命わずかで、息子の父/エイモス・ファルコンに一目会いたがっていた。だが、新しい妻に夢中のエイモスは、ワリョーシカに興味を持っていないだけではなく、現妻の連れ子の娘/フレイヤとレオニドを結婚させようと画策している節すらある。
なんとかフレイヤの結婚話を回避し、さらに父の関心を得ようと、レオニドはパーディータに、次兄の結婚式までのパートナーになって欲しいと申し込んだ。
スクープを手に入れたいパーディータは、これ幸いと承知し、ファルコン家の内情を調べようとする。だが、レオニドに惹かれ始めた彼女は、彼が家族のためにゴシップ記者を軽蔑する姿を見て、自分がやってきたことを恥ずかしく思うようになり――。
【おすすめポインツ】
ロマンス物の魅力で大きな要素となる“ヒーローの愛”は、パートナーの申し出をした時から明らかで、「ただ会いたいんだ」と懇願するくらい首ったけ♡ そのくせ、過去のせいで愛や裏切りにトラウマがある。
個人的に大好物ですが――つまり、ある意味在り来たりなヒーロー像です。
だから、この作品で特筆するべきはヒロインの強さ。
可愛い顔して行動力の塊。しかも、ヒーローの前では弱さを見せちゃう可愛さ。
謝ったり告白したり、言葉だけで済ますキャラが多い中、アレを脅迫するという度胸の良さ。アレが陥落する姿は、1作でもシリーズを読んだ人なら必見(笑)
【もにょるポインツ】
上にも書きましたが、ヒーローの在り来たり感にがっかり。
普通のヒーローなら普通さも想定内ですが、彼は最初のページで、『ファルコン家の獅子たちのなかでも特殊な立場』『とらえどころのない独特の雰囲気』という具合に、普通じゃないというハードル上げまくりだったのに…。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
直接のイチャイチャよりも、28ページのレオニドの微かな表情の変化が、「え…」「そうか…」だけのセリフなのに、恋に落ちた瞬間を表していて大好きです。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
普通のヒーローだからこそのストレートな愛情表現が御馳走様でした(笑)
ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆
レオニドのつらい過去が、母親ではなく父親だったというのは意外でした。それとなによりアレの「待たせたな!」な登場シーンに★+1。
ウルウル度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
パーディータとレオニド母の心の絆がジーンと…。
もしもの離婚率 → 5%