街角のシンデレラ (佐々木みすず)
画/ 佐々木 みすず
作/ リン・グレアム @2001 Lynne Graham
題/ The Italian's Wife [A Mediterranean Marriage #2] (R-1834)
ハーレクイン darling! vol.45
【個人的あらすじ】
シングルマザーのヒロイン/ホリー・サンソム(20歳)は、両親にも妊娠させた相手にも見捨てられ、路上でホームレス生活をしている。ある時、息子/ティモシーと夜の街をさまよっていたところ、大富豪のヒーロー/リオ・ロンバルディの車に轢かれそうになり、彼の運営する病院へ保護された。
社会保障事務局に通報され、息子と引き離されることを恐れたホリーは、無断で病院を抜け出したが、再びリオに捕らわれる。
リオは、1か月後に結婚予定だった婚約者/クリスタベルと別れた直後で、彼の側近/エッツィオ・ファレッティはホリーに、「ボスに近づかないほうがいい」と忠告。ホリーは、住んでいる世界が違いすぎると自戒するが、惹かれていくのを止められないのだった。
そんな周辺の思惑を知ってか知らずか、リオはホリーをドレスアップしてへ連れ出し、調査に来たソーシャル・ワーカーに「僕たちは結婚する」と言って――。
【おすすめポインツ】
これぞシンデレラ・ストーリー! って書くと思いましたか?
ええまあ、そう書くしかありませんね。
もにょるポインツにも書くつもりですが、ヒロインの性格が途中で180度変わってしまう。それも一見ハーレクイン的に悪い方向へ。
でも、何度か読むうちに、それは逆なんじゃないかと思ったんですよ。
ヒロインは変わったんじゃなくて、元から強くてアグレッシブだったんじゃないか、と。
両親に反対されて家を飛び出して出産し、捨てられたと分かっていても息子をその父親に会わせるし、病院に保護されても安心せずに外へ飛び出すし、少しでも役に立ちたいからと倒れそうになっても屋敷を掃除しちゃうし、どう考えても気が弱い消極的なお嬢さんじゃありません。
やりたいことを前に考えたり我慢したりする内向的な人じゃないんです。自分でやりたいことを見つけたら、とことんやっちゃう人なんですよ。
そんな彼女を、一目で見抜いたハンサム大富豪って、やっぱり見る目があるんじゃないかな。
だから、これは本当の意味でシンデレラ・ストーリーなんです。
【もにょるポインツ】
上に書いたように、ヒロインの性格が変わることで困惑…。
いっそのこと最初から血の流れが多い女性で一貫してくれればいいのに。
だけど、もっと分からないのがヒーローの元婚約者。
逆に男性が“ああいう事情”ならば、ロマンス物によくある設定で、本当の恋人同士にはなれませんよ、というオチ扱いですよね。なのに、なぜあそこまでヒーローに執着をするんだろう? 相手は誰だっていいんじゃないかな。
という引っかかりを含めて、誰に勧められるのか分からないお話でした。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ☆
無条件に愛しちゃう。いや、無条件で無償だからこそ愛。リオのホリーに対する想いは本当に愛なんだなあ、と思います。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ☆ ☆
努力をしたわけでもなく、普通に(?)困ってホームレスをしていたら、王子様に見初められちゃいました。ってお話としてはどうかと思うけれど、単純に羨ましいです。
ワクワク度 ★ ★ ★ ☆ ☆
リオの元婚約者/クリスタベルに驚いたので。
ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そりゃ泣けないです。
もしもの離婚率 → 3%