花嫁レンタル商会 (サクヤカイシ)
画/ サクヤ カイシ
作/ 工マ・ゴールドリック @1985 Emma Goldrick
題/ Rent-A-Bride Ltd. (I-793)
ハーレクイン 別冊 2015年 vol.43
【個人的あらすじ】
テキサス州:ウェイコで広大なミーラフロレイス牧場を所有するヒロイン/ステイシー・ブロンフィールド(18歳)は、唯一の家族である叔母/エレンの夫/ヘンリーによって、彼の連れ子/ジョージと無理やり結婚させられることが決まっていた。
ダラスからの旅行の帰り、ヘンリーとジョージの待つ家に戻るのが怖いステイシーが涙をこらえていると、隣の席にいたヒーロー/ハリー・マーズデンが彼女を抱きしめ、優しく慰めてくれたことで半ば安堵する。機内や空港で、ステイシーの話を聞いたハリーは、「いい考えがある」と彼女の薬指に豪華なアンティーク指輪をはめた。
そして、ステイシーを迎えに来た小父らに対し、「僕はステイシーと結婚した」と宣言したのだ。
テキサスでは女性が結婚すると、夫に様々な権利が付与されるため、たとえ身内でも勝手に手出しができなくなる。それを利用して、ハリーはステイシーの財産に対する会計報告を要求。ヘンリーとジョージは慌てふためいて逃げ出した。
ハリーはその後、牧場を取り戻す手伝いをする代わりに、『幼馴染の従姉妹/リゼット・ラングロワーズのフリをして祖母に会って欲しい』とステイシーに頼み――。
【おすすめポインツ】
まず、ヒロインが文句なく若くて可愛い。ヒーローを含め、周囲もほとんど皆いい人ばかりで気持ちいい。ヒロイン小父と連れ子とヒーロー従姉妹らの悪役3人組が、ちゃんと卑怯なのも面白い。
ほっこり幸せ感を味わいたい人には、ぜひ読んでいただきたい。
ヒロインの純粋さと優しさにキュンキュンして、ヒーローの行動力と優しさにドキドキして、最後のイチャイチャにポッとして心が温かくなります。
ヒロイン叔母も、きっと幸せになっててくれるといいですね。
【もにょるポインツ】
お話の出来の良さに文句はありません。描かれ方も心地いい。
なので、重箱の隅をつついてみたいと思います。
ヒロインは最初、意気地なしで思慮が浅いお子様で、ヒーローに会っていなかったら、たぶん破滅へまっしぐらでした。そのあとは、精神的にも経済的にもヒーローに頼り切ってしまいます。
もちろん、彼女は彼女自身で努力もしました。でも…。
どんなに素晴らしい人間でも、何かが欠けたら“正しい人生”が送れないとしたら、満たしてくれる人を運命の相手と呼ぶしかないのでしょう。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ★ ★ ★ ★
ステイシーの「どうすればいい? 愛してるの」に胸を撃たれました(誤字に非ず)。たっぷり描かれたエッチなんかより、何の打算もないのにストレートに刺さる愛の告白が、ロマンス物の醍醐味なんだと思える。
ドキドキ度 ★ ★ ★ ★ ☆
本当なら満点をつけたい胸キュンぷりでしたが、ハリーがいろいろ黙ってたりな部分に★-1。
ワクワク度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
たぶん、リゼットもハリーを愛していたと思います。それがあんなふうに捻じれてしまったガッカリさに★1つ。もう1つは裸でベッドインしたのに我慢したハリーへ(笑)
ウルウル度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
ステイシー父と叔母エレンに1つずつ。
もしもの離婚率 → 20%