砂に落ちた王女の涙 (碧ゆかこ)
画/ 碧 ゆかこ
作/ シャロン・ケンドリック @2014 Sharon Kendrick
題/ Shamed in The Sands [Desert Men of Qurhah #2] (R-3004)
ハーレクイン 別冊 2015年 vol.44 クルハの男たち
【個人的あらすじ】
砂漠の豊かな国クルハの王女であるヒロイン/レイラ・シェヘラザードは、男性優位で閉鎖的な国に生まれたことを、ずっと昔から疎ましく思っている。
ある時、同国のイメージアップ戦略のため、イギリスから広告代理店を経営する専門家のヒーロー/ゲイブ・スティールが来ると知った彼女は、お忍びでホテルの部屋へ向かった。広告業界の天才といわれるゲイブに、趣味で撮りためていた風景写真を評価してもらおうと――そして彼は、セキュリティに追われながら訪問したレイラを、好奇心から部屋に招き入れる。
彼は、写真そのものは評価したものの、経験のないレイラに仕事は無理だと諭した。
帰り際、ゲイブと離れがたいレイラと、彼女に魅せられたゲイブは、キスからベッドインへ。そして、彼女がバージンだったことに驚くゲイブ。だがお互い、もう止められなかった。
その夜、クルハ国の晩餐会で、2人は王女と国賓として再会してしまう。
ゲイブは仕事を終えると逃げるようにロンドンへ去り、ある不安を抱えるレイラは、必死にスルタンである兄/ムラト・アル・マイサン(“砂漠の掟に背いて (Defiant in the Desert) [Desert Men of Qurhah #1]”のヒロインの元婚約者:“冷たい瞳のスルタン (Seduced by the Sultan) [Desert Men of Qurhah #3]”のヒーロー)を説得し、ゲイブに会うため砂漠の檻を飛び出した――。
【おすすめポインツ】
ヒロインは世間知らずで可愛い。なのに、イスラム世界を飛び出すその勇気。
彼女は王宮という無菌室育ちなくせに――いいえ、たぶんだからこそ、自分の写真や妊娠についての現実を見ているし、結婚がゴールじゃないと知っていて妻として努力をしようとする。
その潔い無償の愛が眩しいです。
あと、ヒーローは大好物の眼鏡イケメンでした(笑)
【もにょるポインツ】
ヒーローがヘタレ過ぎる。
ビジネス的な部分で慎重なのはいいとして、セックスしておいて逃げ出すとか、かなりガッカリ。避妊すりゃいいってもんじゃないんですよ。
【勝手に印象三昧】
ラブラブ度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ゲイブときたらエッチして逃げた上に「僕は人を愛せない」パターン。
ドキドキ度 ★ ★ ☆ ☆ ☆
全体的に、レイラの立場と愛情の板挟みに、ゲイブの秘密主義が加わって、捻じれたけれど最後に大団円とか、ロマンスというよりプチ人間ドラマでした。
ワクワク度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
ゲイブの両親それぞれが極端な人生でしたね。
ウルウル度 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
レイラは、状況の受け取り方や考えは悲観的なのに、愛し方が楽天的なので、湿った感じはないです。
もしもの離婚率 → 6%